山へ行こう

エディ・パルミエリの曲にVamonos Pa'l Monte「山へ行こう」という曲があるんだが、これは山にピクニックにでも行こうかね、という内容なんだろうなと思ったらそうではない。山に行くという行為は、西インド諸島でもイベリア半島でも、公権力に反抗する意味があった。

里に対する山という場所で生活する人々が、なにか魔をまとっているように感じるのは、本来ならば誰もが畏れる自然の中で暮らしているというだけではなかろう。恐らくは、常に公権力に生命を脅かされている生活を強いられることで、警戒心や飢餓感が強くなっていったのではないだろうか(そういう空きっ腹にもっとも役立ったのが麻であったのかもしれない)。