シンコーミュージックに罪はないけどね

今ちょうど仕事していたんだが、テキストエディットがフリーズしちまって、それを保存していなかったもんで萎えて今この文章を書いている。気分転換っつーのかね、現実逃避というのかね。

それはそうと、テッド・ニュージェントというギタリストがいるんだがカッコいいねこの人。

http://jp.youtube.com/watch?v=cYOV8uu17t0

これまで俺はまったく知らなかった。20代の頃、ハードロックとかヘビーメタルとか言われる人々のファッションから考えから、毛嫌いしていた。当時は黒人音楽を至上のものと見ていたからかもしれない。だから今更ながら、70年代後半から80年代にかけてのハードロックを聞きつつ勉強している。しっかし俺はニルバーナ以降のロックも全然手つかずだし、勉強することが多いのなんのって。驚いてしまう。

しかしここに来てようやく音楽ジャンルというトラップを理解できる頭になってきた。さっき「ハードロック」とか「ヘビーメタル」なんて言葉をするっと使ったんだけど、これとてシンコーミュージック系のライター、早い話が伊藤政則とかが勝手に命名して振り分けて遊んでいたっていうだけなんじゃなかろうか。大体にしてテッド・ニュージェントを今YouTubeで見たら、これはオールマンやハウリングウルフやレイヴォーンと並べて聞いても全然おかしくない人である。だからこれまで知らなかった俺のアンテナが短かったせいではなく、ハードロックだとかいうジャンルに押し込めていたメディアやレコード店にもその責任があると思うのだ。

そもそもリアルタイムで、シンコーミュージック系列のライターの情報が正しかったはずはない。一次ソースなんてそもそもインターネットも普及してない時代だから、妖しいものが少々あったのみで、そこから妄想をフルパワー全開にしてレビューなりを書いていたはずだ。なのでハードロックとかヘビーメタルという言葉から来るイメージは、すべてシンコーミュージックが作ったと言っても過言ではないと思う。それは音楽的なジャンルでさえなくて、「音楽から連想した一連の物語」くらいのものだろう。今でいうところの音楽妄想ブログみたいなものだ。ちょうどこの日記みたいなもんで。

このジャンル分けという行為は、プロモーションと密接に結びついている。結局行き着くところは、「レコード店に棚がある」ということであって、棚というのは売り場から物理的になくす事はできないから、音楽ジャンルを断罪することは不可能となる。すべての音楽をあいうえお順に並べたらどうなるか。どうもならない。多分今と同じことになるだろう。ジャンルに分けなければ売れないことは、何処のプロモーターも十分分かっていることだ。ある新人バンドを売り込む。その際には音楽だけでは不十分だ。ファッションも、言動も、そして「第二のストーンズ現れる!」といったキャッチコピーまで、アーティストと不可分のものとして存在している。言わばジャンル自体が「捏造」である場合の方が多いように見て取れる。

理想としては、そういうことを分かった上で、ジャンルに押し込められてきた音楽を解放する作業を、こういう日記でできたらいいな、なんつって思っているんだけど、まあとにかく今は仕事を終わらせて、家に帰りたいもんですなあははは。