パンクス雑感

ピストルズ→PIL」「クラッシュ→メスカレロス」という歴史はそのまま「RancidTransplants」に当てはまるのかもしれない。劣化というわけではないんだが、当人の勘違い(だと仮定して)以上に世間が勘違いしているからおかしなことになってるんだと思う。というかもう、人間の変節の仕方なんてのは大して変わらないんだなと思う。これに比べたら「キャロル→矢沢」という変節のなんと見事なことか。ソロデビュー曲が「I Love You, OK」だよホントに。

それにしてもパンクである。Not Deadというよりは、Not Constantという方がぴったり来る。なにかこう批判がましいんだけど、解散するなりソロで出るなりして、結局はパンクの方が儲かるっていう事実を発見する道のりを辿って、「(いろいろあって)→再結成」という流れにみんな行ってるような気がする。

果たしてこれはパンクの真理なんだろうか。ファッションもいいけど少しはなにか音楽について感じてくれないかと思う。少なくともTim Armstrongという人は、ジョン・ライドンジョー・ストラマー程度は軽く超えるほどに、音楽の才能も技術もあるはずし、その上経営者としても数字出してる(出してた、かな?最近のヘルキャットについては知らない)。

何度かRancidを見る機会があったのだがあえて見ることはなかった。見なくて正解だったような気もする。今年のサマソニピストルズのライブのニヤニヤした客の顔を見てたら本当に反吐が出た。いや本人たちはいいんだ。なんでもいいよ好きにすればいいよ。でも客だよな。考えてみたら世の中の再結成というものにロクなものがないのは、恐らく「金のため」というバイアスがかかっているからであって、糞みたいな呼び屋や代理店やメーカーがグネグネとなにか仕掛けた、いわばちょっと自然の成り行きとしては考えられないイベント、それが再結成なのだろう。まあそんなことを俺がグネグネ言ってもしょうがないわな。

で、Rancidをなにか語ろうかと思ったんだがやめた。人間が本当にパンクスでいられる時間は本当に少ないと思うのだ。せいぜい1年間だと思う。後は惰性とかちょっと頑張っちゃったとか、そんなこんなで5年くらい。だからTimなり他のメンバーなりがなにかの音楽に強く影響されているとかそんなことはあんまり関係なくて、Ruby Sohoなどのホントに宝石のような曲ってのは売れたことがまず奇跡だと考えたほうがいい。これこれこういう文脈や背景でのはない。ただし売れてしかるべきって曲はある。それはまったく音楽と関係ない話で、なんだろ、ファッションとかタイアップとか、そういうことなんだろうなあ。