煙たい女

ふらっと巡回して行き着いた、ちあきなおみの喝采って歌。

ええ曲です。

他のさまざまなアーティストが喝采をカバーしてるんだが、どうにもコメントが手厳しい。痛いぐらいのちあきなおみ信者が思わず書き込んでしまう様を見ると、きっとそれだけちあきなおみの喝采に魔力があったのだろう。どうなんだろう、うまい下手で聞くようなものでもないと思うんだが。天童よしみのはすごくいいと思ったし。ただ、中森明菜がセーラー服で唄ってるやつにはびっくりした。明菜本人がというより、周りの大人たちが頬を紅潮させて喜んだんだろうなあと。天才の登場だ、ナオミ2世だぞと。

で、こういう声質をスモーキーと呼ぶのかね。魔力の本質というわけではないだろうが、ヴードゥー教でも儀式となれば煙らせるし、煙の魔人とか言うし、日本の忍者もドロンする時は煙出すし。煙たい声は、なにか心に取り憑くものを持っている。

そういう話になってくるっていうと、やっぱこの人を聞きたくなる。Madeleine Peyroux、マデリン・ペルー。

現在この人よりももっさり煙たい声をしている人がいたら教えていただきたい。そんだけ煙たさについては絶品。ビリー・ホリデイとよく比べられるんだがその気持ちは分かる。アメリカ生まれだが、ヨーロッパが好きなようで。ところで彼女のヌーアルバムも聞いたよ。

Bare Bones

Bare Bones

レーベルはRounder。個人的にはちょっと洗練されすぎてる気も。心の病んだ部分が解決したっていう気がする。なんつってな。でもなんかね、ちあきなおみから中森明菜、そんでビリー・ホリデイもマデリン・ペルーも、なにかこう心がナイーブって部分で共通しているような気がするんだが、これは単なる偶然ですので気にしないで下さい。