R.I.P.Michael

マイケルのディスコグラフィを年齢別に並べた。これはみうらじゅんメソッドと勝手に呼んでる。個人的により分かりやすくするために、ボブディランだけではなくてブルース・スプリングスティーンが同じ年齢でリリースしたアルバムも併記した。自分の年齢と近いマイケルの盤を聞けば、きっと何か得るものがあるだろう。

早熟の天才が50歳で急死というのは本当に惜しまれる。ジョー・ストラマーも50歳で死んだ。梶原一騎も。ご冥福をお祈りいたします。

12歳

Got to Be ThereBen

13歳

ミュージック・アンド・ミー

17歳

Forever Michael

21歳

Off the Wall (Spec)Bob Dylan

バリバリのカリスマであったディランのデビューと同じ年齢で、青年マイケルが名作off the wallを間に合わせたのは、強い運もあったのかもしれない。

24歳

スリラーBringing It All Back Home (Reis)Highway 61 RevisitedGreetings from Asbury Park...The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle

大体このあたりの年齢でみんな傑作を出しておりますなあ。

29歳

BadSelf PortraitNew MorningDarkness on the Edge of Town

33歳

デンジャラス(紙ジャケット仕様)プラネット・ウェイヴズNebraska

三十路を超えてもさらにスーパースター。ディランはちょっと紆余曲折し、Bossは新たな活路を見出して後の大ヒットにつながるわけか。

37歳

ヒストリー パスト、プレズント・アンド・フューチャー ブック1(紙ジャケット仕様)Street Legal (Reis)

ほんと、マイケルって年齢とあんまり関係ないんですね。

43歳

InvincibleHuman TouchLucky Town

Bossですら迷走していたこの年齢ですら、キレキレのプロデューサーを使って売れ線作ってるマイケル。持続可能性という言葉を思い出した。

45歳

NUMBER ONESKnocked Out Loaded

もうなんていうか、死ぬのが早過ぎます。それから最後がキレイ過ぎるよマイケル。ディランのこのCDと並べると余計にそう感じる。もっとだらしなくてもよかったんだ…。

全然本題とは関係ないが、こうやって並べると、どうしてもディランの人間くささが浮き彫りになってしまうということに気がついた。だからディランがスケールの目盛りとして機能するわけか、なるほどなあ。

比べると、「人間マイケル」ってのは10代で終わってたのかもしれん。周りの評価ってのを、ディランってのはもう本当にテキトーに受け流しているんだよね。ところがマイケルは、ゴシップを含めた周りのプレッシャーがディランどころではないから、受け流すには無理だったのかもしれない。哀しい話である。

Black or WhiteのPV制作のアイデアの過程を想像すると、あれが生涯最後のマイケルの抵抗だったような気がしてくる。特にパンサー部分へと繋がる構想を考えると、泣けてくる。誰も分かってないんじゃないか、感じてないんじゃないかっていう疑念は、マイケルに常にあったのかもしれない。

文字通り、安らかに眠ってほしい。