Monte Montgomery

まともにCD買ってまともに何か感想書こうかっていう気がしないのは、自分に大した語彙もないからってのもあるけれど、自分の思い入れがクルックルーと空回りしているのが文章に見事に現れるのがツライというのもある。かつて「音楽ライター」という職業があったそうだが本当によくやってくれてると思う。例えばまったく当てずっぽうで買ったチンケなウエッサーイのレーベルのコンピ盤の、真偽はともかくなんかしら情報めいた言葉がちりばめられているインナーの紙切れとかは、個人的には大好きだ。誰が発注して、そして誰が何をソースに書いたんだか、よく分からない文章ってのは、ホントは盤以上に後世に残って当然ではないかと思ってしまう。しかしこの不景気の中、自分もめったに日本盤なんて買わなくなってしまった。だから現状、どういう人たちがどういうインナーの解説を書いているのか見当がつかない。もしかしていらねーんじゃねーの、という意見もあるのかもしれん。それでもKC松尾さんとか北中正和さんとか湯浅学さんにはずいぶん世話になったつもりでいるし、今おいろいろやってらっしゃるのであろうから、どうのこうの言える立場ではないのですよ本当は。

えーとなんだっけか。

そうそう、Monte Montgomeryの未購入盤をこのたびまとめて買ったので、ひとつひとつ感想でも吐き出そうかと思う。あんまりこういう試みがないのでうまいやり方がよく分からないのだけれども。

Monte Montgomery

Monte Montgomery

2008年リリース。名前と同じタイトルの作品ってのは、なにか意味あるんだろうかねえ。

1. River 2. Let's Go 3. Everything About You 4. Company You Keep 5. Love's Last Holiday 6. Moonlight Tango 7. Can't Fool Everyone 8. Could've Loved You Forever 9. Be Still 10. How Far 11. Little Wing 12. Midlife Matine

M-1は8分弱。いかにもおっさん好きだよね、的なサザンロック、JayhawksとかAllmanのような雰囲気のリフで始まるので、あらまあと思ったんだが、歌部分の終わった後に自慢のアコギの長いソロ、しかもワンコード。尺の長さからしてもこれは70年代風。

M-2これいいんだわー曲の構成。このアルバム全体がそうだけどストリングスとシンセを使ってるというのは初めて聴いた。一番派手な曲じゃないかねえ、だいーぶロックのツボを研究してます、それもアリーナ的なロックの。

M-3になると、よく知ってるいつものMonteという感じも戻りつつ。ただし生々しい感じは薄れて、エディットした感じがこそばゆい。曲自体はそれほど面白くはないけど、こういうあんまりたらふく食べさせないような曲を3番目に配置するってのは策士だと思うんですよね。

M-4で気付いたんだが、今回のアルバムはドラムが非常に近い音で鳴ってる。曲はよう分からんが、勢いはある。どうしちゃったんよ、そんなに昔気質でもないだろ君たちは?

M-5まで来てようやく、カフェでもかかりますよ的なナンバー。ええ曲や。しかしライドがうるせえなっていうぐらい。

M-6このアルバムのリード曲つったらこれじゃないのかなー。よく知らないがこの曲はYouTubeでも聴く事ができたし。非常にど直球なスリーコードの曲で、クラプトン臭もありつつ、2番のヌイた辺りから曲の仕組みも見えてきて。細部ぬかりなし。キメはPhishみたいな印象。これ知ってて野外で聴いたら絶対盛り上がる。

M-7考えてみたらギター、ドラム、ベースという3人編成はSRVの頃から確立したひとつのテキサスのスタイルであるわけで、存分に活かされてる。Muddy Watersにこんなイントロあったなあと思って聴いてたら最後には完璧にダブルトラブルってる。Cメロ差し込んでくるあたりがめちゃ面白くて思わずうわおと声出してしまった。

M-8「ホテルカリフォルニア」かよと言う感じのコード展開で始まるんだけど、なかなか構成にストーリーのある8分弱の長尺。いい曲ですけど、こういうのって時間ない時は飛ばしてしまいますよね。

M-9いいんだわーこの人の中にあるPopな部分がよく現れている。僕なんかはむしろこの曲Princeがやってもいいんじゃないかって気がする。ちょっとだけMonteにはそんな変態性が垣間見えるのです。

M-10とりあえず、涙でしょうなあここでは。ええ曲や。なんか「ええ曲や」を連発してると笑い飯の「ええ土や」を思い出す。日本人の泣かせ歌連中には絶対書けない曲。まあ分かりにくいって意見もあるんでしょうけど。

M-11そして唯一のカバー曲は、ジミヘン。YouTubeで見てたからどうのこうのはない。ただギターの腕を楽しむのみです。

M-12中年のおっさん、泣いてくれ。名曲の条件のひとつは加齢臭。やったねMonte、こりゃ名曲だ!ダリル・ホールとやった動画もとてもええですよ。