Jimmy "Diamond" Williams

Funk on Fire-Anthology

Funk on Fire-Anthology

アンタッチャブル山崎の芸風はOhio PlayersのJimmy "Diamond" Williamsのドラムスのようだ。なんて言ってピンと来なけりゃそれでもいいです。

Jimmy Williamsは、軽くジャブを繰り出すかのようにリリースする盤すべてが自動的に名盤となった輝かしいオハイオ・プレイヤーズのマーキュリー時代の、まさに屋台骨を支えたドラマーであります。オハイオオハイオたる所以は、この人のキャラクターに尽きるとも言えるわけです。いろいろわけあってオハイオを脱退して、その後に組んだShadowっていうユニットが、ちょうどアラエイティー(1980年代前後)のファンク=ディスコの過渡期に3枚ほど出していて、それぞれ結構なレア盤になっているようです。『Shadows in The Streets』ってアナログしか持ってませんけど、まーあしかし、なかなかオハイオの頃のような特A級感までは到達できてないなあと(しかし本当に特A級とB級ってのは紙一重ですねえ)。

アラエイティーのファンクというのは世代交代の時代でもあったわけで、完全なる意識改革を成し遂げた者のみがサバイヴできた時代だったんじゃなかろうかと思うわけです。Princeという天才と、もう一人マイケル・ジャクソンという天然が、その辺のとっ散らかったファンク芸をひとつひとつ拾い上げてまとめていったっていう。天才と天然だからといって、ではPrinceとMJは王長嶋であったか、と言われるとそんな気はしない。せいぜい桑田清原。王長嶋は別にいますって、おい野球かよ。

話は芸人にたとえてた最初に戻る。正月の爆笑ヒットパレードで見た山崎の立ち位置が、まさにマーキュリー時代のオハイオのドラムスです。早い話が出たとこ勝負。ドンカマというかクリックなんて関係ない。だから曲の頭と終わりのBPMの差が激しい。しかしそういう体裁じゃないんですよファンクはっていうかお笑いも。受けりゃいいんじゃないのか。いや受けるだけでは足りない。あの爆笑ヒットパレードの山崎は、受けてつなげるっていう、平均以上の断続的な笑いに加えて、大きく余韻を残す必要がある。そうなんですよ山崎とDiamondに共通しているのは余韻なのかも。余韻を残すドラムス。なんだろそれは。それがマーキュリー時代のオハイオにあると思う。もうひとつあった、ノリにノッた時の手のほどこしようのなさ。そういうゾーンに入る時が、山崎にもDiamondにもある。

ジョージ・クリントン総帥の率いるP-Funk吉本興業だったとしたら、アンタッチャブルとかバナナマンおぎやはぎ東京03あたりの、人力舎つながり?のグルーヴがオハイオ・プレイヤーズではなかったかなと。だとしたらShadowsのB級感というのは、実はブッチャーブラザーズに通じているのかも?


例えばこの音でエアドラムすれば、山崎っぽさが分かっていただけますか。