なまけ放題ですが

なんかいろいろ聞き過ぎちゃってて、本も読み過ぎちゃってて、いろいろ知恵熱出してるって状態。

CD評よりも、書評ってのをおいおい書いていきたいんだけどさー。やっぱ難しいんだよねいざ文章にしようとするとね。しかも『ヒップホップ・ジェネレーション』と『塩の道』と『プリズンの満月』を同時に並行して読んだもんだから、ぐっちゃぐちゃ。特に常一さんの本はいかんね。薬物だよ。

ヒップホップ・ジェネレーション 「スタイル」で世界を変えた若者たちの物語
塩の道 (講談社学術文庫 (677))
プリズンの満月 (新潮文庫)

Luther Dickinsonやりやがった

Home Sweet Home (Dig)

Home Sweet Home (Dig)

今から聞きます。

2010年の今年初場所の技能賞と敢闘賞を与えたい。というか初場所なんだから優勝させたい。

ユニット名が素っ気なくてねえ。South Memphis String Bandだから南白河弦楽団てな感じだろうか。Luther Dickinson目線で言えば、North Mississippi All StarsとBlack Crowsに続いてなにかやるっぺかなーという暇つぶしのユニット、かと思いきや、Alvin Youngblood HartもJimbo Mathusもルーツ系の御仁であり、こんなユニットすげえわと腰を抜かした。三人とも確信犯のソロギタリストであるっていう、「ちょっとした三大ギタリスト共演」となっているわけさ。グラミー取ってるようなメンツのくせに、一番恐れ入ったのはmySpaceの「レーベルタイプ」が「アマチュア」になってるってところ。そりゃまあ何かと問われたらアマチュアと答えるしかねーな、という感じだろう。もはやレーベル(笑)、インディ(笑)な時代なんだろねえ。

盤全体は、戦前ブルースよりも前、BluegrassとBluesの未分化の時代や、ハラーだとかワークソングとかの黒人奴隷の時代まで視野に入れた音楽を、ちょっと丁寧にやり直しましたっていう感じ。カバー曲もThings Is 'Bout Coming My Wayとかのふっるくさい昔の曲がブチブチ言うノイズなしで聞ける。当たり前やっつーの。実際、ブルースレジェンドの師匠連中に比べたら丁寧すぎる傾向はあるやもしれないね。しかしそれ故に、Bossのシーガーセッションと同じくらい大事な盤でもある。

Jimmy "Diamond" Williams

Funk on Fire-Anthology

Funk on Fire-Anthology

アンタッチャブル山崎の芸風はOhio PlayersのJimmy "Diamond" Williamsのドラムスのようだ。なんて言ってピンと来なけりゃそれでもいいです。

Jimmy Williamsは、軽くジャブを繰り出すかのようにリリースする盤すべてが自動的に名盤となった輝かしいオハイオ・プレイヤーズのマーキュリー時代の、まさに屋台骨を支えたドラマーであります。オハイオオハイオたる所以は、この人のキャラクターに尽きるとも言えるわけです。いろいろわけあってオハイオを脱退して、その後に組んだShadowっていうユニットが、ちょうどアラエイティー(1980年代前後)のファンク=ディスコの過渡期に3枚ほど出していて、それぞれ結構なレア盤になっているようです。『Shadows in The Streets』ってアナログしか持ってませんけど、まーあしかし、なかなかオハイオの頃のような特A級感までは到達できてないなあと(しかし本当に特A級とB級ってのは紙一重ですねえ)。

アラエイティーのファンクというのは世代交代の時代でもあったわけで、完全なる意識改革を成し遂げた者のみがサバイヴできた時代だったんじゃなかろうかと思うわけです。Princeという天才と、もう一人マイケル・ジャクソンという天然が、その辺のとっ散らかったファンク芸をひとつひとつ拾い上げてまとめていったっていう。天才と天然だからといって、ではPrinceとMJは王長嶋であったか、と言われるとそんな気はしない。せいぜい桑田清原。王長嶋は別にいますって、おい野球かよ。

話は芸人にたとえてた最初に戻る。正月の爆笑ヒットパレードで見た山崎の立ち位置が、まさにマーキュリー時代のオハイオのドラムスです。早い話が出たとこ勝負。ドンカマというかクリックなんて関係ない。だから曲の頭と終わりのBPMの差が激しい。しかしそういう体裁じゃないんですよファンクはっていうかお笑いも。受けりゃいいんじゃないのか。いや受けるだけでは足りない。あの爆笑ヒットパレードの山崎は、受けてつなげるっていう、平均以上の断続的な笑いに加えて、大きく余韻を残す必要がある。そうなんですよ山崎とDiamondに共通しているのは余韻なのかも。余韻を残すドラムス。なんだろそれは。それがマーキュリー時代のオハイオにあると思う。もうひとつあった、ノリにノッた時の手のほどこしようのなさ。そういうゾーンに入る時が、山崎にもDiamondにもある。

ジョージ・クリントン総帥の率いるP-Funk吉本興業だったとしたら、アンタッチャブルとかバナナマンおぎやはぎ東京03あたりの、人力舎つながり?のグルーヴがオハイオ・プレイヤーズではなかったかなと。だとしたらShadowsのB級感というのは、実はブッチャーブラザーズに通じているのかも?


例えばこの音でエアドラムすれば、山崎っぽさが分かっていただけますか。

Excello Records

ナッシュビルなんだよなあExcello Recordsって。

独特の南部フレーバーを振りかけた病み付きになる音。エクセロのジェイ・ミラーって、CWAのジェリー・ローラーと印象がどうしても被ってしまう。プロレスの話です。Slim Harpo, Lazy Lester, Lightnin' Slim, Lonesome Sundownを立て続けに聞くと、ああ酒じゃないなこれ、あっちの方だなって気がしてくる。あっちってのは単純に麻ってことじゃなくて、もっと南のVoodooの薬草もろもろがまぶしてあるっていうか。Excello Records全体に一貫して流れるムードはよく言われるように気怠さだけじゃないよ一度大音量で聞いてみていただきたいです。

↑この動画にSlim Harpoの曲↓の合うことといったら。芋焼酎とさつま揚げかっていうほどですな。時代は違うんだけれども。

南部っつったら沼地でバイユーでって、それはずーっと南の一部の話なんだが、結構音楽でも大雑把に語られることが多い。それはそれでかましまへんがね、ただテネシーって言うとそれでも結構ウエのほうなんだけどなー。

M-1おもしれーかった。

まいったなーELTON ANDERSONがめちゃくちゃいいんですが。何度目だ検索したの。以前検索したの忘れてんだもんなー。

しかし彼名義のお手頃CDはないっつーのは仕方ない。CDはお手頃とは言っても、90年代に一度出してそれっきりとかいう入手困難なCDも多いとなれば、やっぱり普段から掘ってないと駄目だっていうことになる。ネットで探すっていうよりは、町中に行きつけの中古屋が数軒あればいいのかもなーって感覚。

パンクブーブーは全然新しい世代って感じがしないねーダイラケ的なマナーを守りつつって感じだった。きっとあの辺りが漫才の基本って感じなんだろうか。