Already Free感想・その2

超一流ギタリストのデレク・トラックスご本人にはあんまり興味がないんだ、というとウソになるが、若手真打ちバンドのデレク・トラックス・バンド(すなわちDTB)が好きなんよ。いやホントにいいバンド。

ケツの2曲「I Know」と「Already Free」ってのが本当によい並び。Vocalのマイク・マティソンの本領発揮。前作以上の存在感…いやそりゃ当たり前だわな。「歌」というのは「バンドの演奏」と常に対立する項なわけで、歌のあるバンドの歴史ってのは「歌<バンド」、「歌>バンド」の繰り返しだと思う。そういう出るアルバム毎に脈を打つ鼓動というか胎動というかを、特に歴史の長いバンドだったら感じることができるわけではあるが、そんな「縦軸聴き」が通用したのは昔のロック名盤だけって気もする。とまれかくまれ(←最近覚えた言葉)、もともとインストバンド、時々ゲストボーカルっていうスタイルだったDTBが固定のボーカルを据えて(といっても恐る恐るって感じだが…客演は相変わらず多い)、バンドの鼓動というか胎動を始めたのが前作からなわけだから、本作でマイク・マティソンが存在感を示すのはこれはもう彼の義務でもあったわけです。

これだけよいと、Scrapomaticの方も売れるだろうなあ。