Chris Strachwitz〜アーフーリー創始者#1

Arhoolie Records 40th Anniversary Collection: The Journey Of Chris Strachwitz 1960-2000

Chris Strachwitz。本名はChristian Alexander Maria, Graf Strachwitz von Gross-Zauche und Camminetzというらしいが読めねーよ。苗字の読み方は多分、ドイツ語読みだとシュトラークヴイッツ、英語圏だとストラックウィズか。アーフーリーレコーズの創始者である。

1931年7月1日ドイツ(現在はポーランド領)生まれ。ヒトラー内閣が発足するのが1933年だからその直前ですな。豪農のせがれで、母方の祖母がアメリカに住んでたこともあり、Al Jolsonのレコードなどを聞いてはいたらしい。戦後ロシア軍に占領されて家族は資本家とみなされ西側へと追放された。

終戦後の1947年にアメリカに移住し、サンタバーバラの高校に通う。この時にクリスを夢中にさせたのが、メキシコのティファナにあるXERBというラジオ局。連邦通信委員会の規制にあたらないので50000ワットというバカでかい出力で放送していた。後に60年代の西海岸でカリスマDJとなるウルフマン・ジャックの番組ができるんだが、この頃はまだ黒人音楽よりもC&Wの選曲が多かったらしく、クリスはそれにどっぷりと漬かったらしい。余談だがメキシコ音楽ってのは当時も放送されてなかったみたいね。クリスが具体的に「黒人の音楽(・∀・)イイ!」と思ったのは「ニューオーリンズ」(asin:6305820775)という映画を見たのが最初だと答えている。

1951年に高校卒業後地元ロザンゼルス東部クラレモントのPomona大学に通いながら、ジャズとブルースの研究のために夜な夜な徘徊した。George LewisKid HowardJim RobinsonLawrence Marreroなどのきらびやかなジャズの名人たちが当時演奏していたハリウッドにせっせと通った。学友のFrank Demond*1と共にバプチスト教会へ行き、そこでJ. Earl Hinesの指揮するクワイアも見たりした。KFVDというラジオ局ではハンター・ハンコック*2というDJの番組でR&Bやブルースを浴びるように聞いた。これと並行してプロデューサーのBob Geddinsの元でアルバイトをし、いくつか録音も手がけたという。1954年、すでにアメリカ市民となったクリスは米軍に徴兵され、皮肉にもオーストリアとドイツに駐屯した。

*1:この人も好きが高じて現在ニューオーリンズのPreservation Hall Jazz Bandでトロンボーンを吹いてるんだと

*2:後にSwingin' recordsを創設