Stephanie Mills

Gold

ステファニー・ミルズいいわー。すごくいい。

なんかもう最近再発見だらけで、新しいのもそりゃもちろんちょろちょろ聞いてるんだが、昔のだってそりゃ同じようにちょろちょろ聞いていただけで、ほっとんどスルーしてたってことがよく分かるわけで、もうホントだらしないなー自分、と思うわけであります。まあそれはいいや、どうせだらしないのは直んないだろうし。

Stephanie Millsは1957年3月22日、ニューヨークはブルックリン生まれ。9歳で既にアポロシアターのアマチュアナイトで勝ち、ブロードウェイのミュージカル歌手をやったという。そっちの方向に行くのはなんだろね、やっぱり土地柄なんだろうか。1973年にまずジャーメイン・ジャクソンに見出されてモータウンとサインしたが、76年には同レーベルを去る。最初の二枚のアルバムがだから10代で出したってことになる。76年の時点でまだ20歳になってないわけだから、早熟もいいところだ。

結局ブレイクするのは1979年から80年代の非常にイージーなディスコブームに乗っかってのものだったので、なんだかんだ言ってその実力を見過ごしてしまう可能性は大いにある。彼女もこのディスコに乗っかって成功したわけだが、それも1985年までで、それ以降はいったん仕切り直し、R&Bの方向で行くことになる、わけですが、もーうこの時代の、MCA時代なんですが、めーちゃくちゃいいですね。ほんと恐れ入ります。

で簡単に言うと、90年代にはゴスペルの方に行っちゃうんだが、この時代の実力ある人ってゴスペル方面に引きこもるか、または地方インディのレーベルに行くかっていう傾向が強いようなイメージがあるんだが、これは90年代のブラックミュージックの世相というかメインストリームがヒップホップに限りなく寄ったところにあったからじゃないかなーと思う。いやー待て待て、知ったかでモノしゃべんな。もっと詳しく言ったらキリがないと思うが、彼女がマイケル・ジャクソンとも噂になったという事実を考えたら、要するに90年代に入る手前に、マイケル的なR&Bの時代の価値観というのが確かにあったんだろうなと思う。これってソウルに詳しい人はなんて表現してんだろう。ディアンジェロ以前以後とかって感じか?

ただしステファニー・ミルズの場合は、もちろん猿岩石の有吉のように「一度地獄を見た」ってほどには落ちてないわけで、なにしろグラミーだって取ってるし、97年にはミュージカルにも復帰している。世紀が変わってから出したアルバムはインディレーベルのものらしいが、これも彼女が落ちぶれましたってわけではないだろう。

こういう人を見ると、メジャーの戦略って、ホント、例の90年代を境にして「何か」が変わったと思う。いや別に実力のない人たちが売れることは悪くはないと思うんだが、実力ある人がどうして端っこの方でやってんのかなあとか思う。最高の曲&最高の制作陣でブワーっと出したマドンナみたいに生き残るのはやっぱり大変なんだろねえ。

以下が1989年のヒット曲「Home」。
http://jp.youtube.com/watch?v=YrvQrYi7mGU

うん、確かに古い感じ。そして次が1992年の「All Day, All Night」。
http://jp.youtube.com/watch?v=j0ocpmp2Z3I

あらら? なんか違う…。こうなると80年代と90年代の間のミッシングリンクがやっぱり気になる。