Monte Montgomery

1st & Repair

やっとこさMonte MontgomeryのCDを3枚入手した。ずっと前から好きでした、なんつってなんでコクってんだっつーの。

なーんで俺この人にピンと来たのだろうかと、よーく考えてみた。全体としての印象は、うん、特に大きいものではない。実際聞いても、ソウルやサルサジャムバンドのような深い酩酊感を得られるような感じではない。耳に心地いいポップな感じもあるが、ポップというほどには音色は豊富で鮮やかだっていうわけではない。基本的にドラムベース、そしてギターと声の3人のバンドでやってる、聴いた瞬間にアメリカのロックだなと分かるようなとってもシンプルな感じなんだが、もしかしたらUKかもしれないと次の瞬間に思う。例えばギターのこの音のセレクトは、テキサスの人がテキサスのスタジオで録ってるということを知ってみたら当たり前のことなんだが、曲として見たらただのブルースのコード進行っていう曲はひとつもない。かといって複雑なコード進行や変拍子なんていうプログレっぽいというわけでもなくって、コードとメロディの感じだけ抽出すればあるいは似ている曲は過去のロックにはいくらでもあるかもしれないっていう程度。ちなみにジャズというのはまったく匂わせていない。カントリーと言えばそうだけど、それよりもやっぱりテキサスって言うほうがしっくり来る。

Monte Montgomeryはね、そのギターの技巧についてはあらゆるところで完璧に高く評価されている。2004年のGuitar Player Magazineで「The Top 50 All-Time Greatest Guitarists」の一人に選ばれているし、Guitar One Magazineでは1990年代の「Top 10 Best Undiscovered Guitarists in America」にもリストされている。「SXSW Festival’s Austin Music Awards」という賞、なんかいかにもローカルな感じのする名前だがSXSWと言ったら知るヒトゾ汁っていうフェスで、日本からはオレスカバンドっていう大阪の女の子のスカバンドが出場してんだよなあすごいエラいこっちゃ。それはともかく、そのSXSWのアワードで「Best Acoustic Guitar Player」にもなっとる。ギターの腕に関しては誰も否定しようがないだろこういう人はさーマジで。

例えばこれ。ホール&オーツのSara Smileのカバー



いやあのね、こういうの受け付けない人もいるかもしれんから迂闊なことは言えないけど、この人の声とか歌い方は最高に好きです。この曲も好きなんだが、この解釈の仕方も好きです。あれまたコクっちゃった。なんていうのかバランス感覚がいいっていうのかなあ、もうこの動画見れば、Billy Braggのようなパンク入った感じとも違うだろうし、Johnny Cashのようなアメリカンルーツへの旅の途中って感じとも違うのが分かると思う。一言でいえば、彼のやりたい事はロックというよりはポップスなんだと思うんだわー。それはこっちの動画で確信した。ジミヘンのLittle Wingのカバー

いやあアコギなのに信じられないようまいよ、というのは後にしてもらって、この曲の解釈の仕方ってのが素晴らし過ぎてねえもう。ジミヘンほど影響力の大きい人はいないと思うんだよねギタリストにとってはねえ。ようやるわあ。
彼のオリジナル曲「When Will I」がまた素晴らしい。

ホントにいい曲だっつーわけですよこれが。ギターソロよし声よしソングライティングよし、これが近江商人の三方よし。この動画はMirrorというCDに入っている音源と同じ。確かAustin City Limitsの映像じゃねえかと思う。さてMonte Montgomeryはこの曲、この演奏でひとつブレイクしたらしいんだが、ところがこの同じ曲、2007年の演奏では、あれれ、ちょっと芸風変えて来てるじゃん…すごいうまいねホントに。

彼のアルバムはAmazonで買ったんだけど丸2ヶ月かかった。今度また新しいのが10月に出るらしい。

追記090828

YouTubeの動画が削除されるのは常識。しかし以下のURLは貼らざるを得ない。アメリカの番組LFDHのエピソード9が必見。
http://www.livefromdarylshouse.com/index.php?page=ep9