Robert Bradley's Blackwater Surprise

また談志の話。人生は短い、Life is very shortなわけで。若手真打ち時代の談志は確かに短いんだが、40代の談志、50代、60代の談志もそれぞれ同様に短いわけで。別にこの喩えだけなら談志じゃなくてもボブ・ディランでもロバート・プラントでも誰でもよいんだが、まあそれだけ談志のことを考えていたのだということで。よく年寄りが大学生くらいの若者に「若い時はすぐに過ぎ去ってしまうんだから…」的な説教をするんだが、
年寄りや中年の時期だってすぐに過ぎ去ってしまうのだよな。そんなことを考えてみたら、1日1日を大切に生きましょうっていう言葉は大げさでもない。大切なことだなあと。

さてそんな話を枕にしたら、Robert Bradley's Blackwater Surpriseというバンドを思い出した。Robert Bradleyというストリートの盲目のおっさんミュージシャンがいて、声とか歌い回しとかまーあフォークやブルースの人で、タジ・マハールに似た雰囲気のその人が、若い白人のバンドと意気投合してバンドを組みましたよっていう話になっている。バンドはどことなくオルタナロック臭いところがあり、そのミスマッチが非常に絶妙でなかなか他では聞けないバンド感である。

ただ、どことなく「企画」の臭いが強くて、バンド結成の逸話も実はちょっと疑ってはいるんだけど。そんなこと言うならダグ・サームだってオールマンだってザ・バンドだって最初は「企画モノ」だったんだから文句は言えない。

1996年の曲。

音楽は残るにしても、人は死ぬっつーわけだ。このRobert Bradleyにしても、こうして歌っていられる時期というのはあと10年、5年、いやもっと少なくて、それがほんの一時期だと考えると、うーんなかなか切ないものがある。