Johnny Nash

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現在も世界各地でReggae Musicは誤解も含めていろいろと解釈されながら発展している。それだけReggaeには何かがあると思う人は多い。ジョー山中のことではない。

Johnny Nashっていう人は全然Johnny CashともNashvilleとも関係ないレゲエの人なんだが、この人はジャマイカ人ではなくて1940年テキサスはヒューストンの生まれ。ジョー山中の6歳上。10代の頃からいっぱしの映画スターで、シンガーとして録音もして、まあまあの盤も残している。アイ・ガット・リズムが1959年当時の音源。

んで、この後にレゲエに行った。つきあってた恋人がジャマイカのラジオの有名DJであったNeville Willoughbyと家族ぐるみのつきあいだったことから、Reggae人脈に知己を得たのだという。要するにアレよ、ボブのいたWailersとか。しかしこの人、頻繁にダブを切ったわけではないってことは、基本的にレゲエというより、USAなりUKで活躍するってことを前提にしていたってわけで、どうもこの辺の立ち位置が他のレゲエ奏者と比べちゃうと「一体なんなんだよー」ってな印象。

このあたり、70年代頭のジャマイカもしくはUK録音のジョニー・ナッシュの曲は素晴らしい。"Cupid"、”Stir It Up"、"Hold Me Tight"とまあずいぶん高い声に合ったロマンチックな曲だらけ。1972年の最大のヒット曲"I Can See Clearly Now"になると、ちょっと控えめだがなるほど確かにレゲエ風味。今となってはこの「レゲエ風味」って言葉だけでも笑える。

80年代に入ってからのだらしなさを感じるなら"Rock Me Baby"に尽きる。このリリックのReggae言及っぷりを聞くと哀しくはなる。そしてやはり、どうしても、高い評価を与えるわけにはいかなくなってしまうのも事実。悲しいことに、この辺りがReggae側からもR&B側からも「バカにしてなんぼ」ってキャラに見なされている理由でもある。

しかし公平に言うと、80年代ってのは本当に不遇のトホホな時代だったようです、オッサンのソウルメンやブルースメンにとっては。そんな中で一発当てて返り咲いたってことだけでも評価したいもんではあります。