500 Miles Away From Home / Bobby Bare

ふるさと離れて一千里 / ボビー・ベア

ふるさと離れて一千里
おっ母さんの手紙を読んだら涙が落ちてきた
愛する息子よ 早く帰って来ておくれ
荷造りなんかいらないよ 今すぐ帰ってしまおうか
今オイラはふるさと離れて一千里
里から離れて 里から離れてヨオ
ひとり寒さに震えているのさ
そう今オイラは ふるさと離れて一千里


※セリフ
「この道はサア 俺が田舎を出たのとおんなじ道なんだべよ
だども今は 全然違う道に見えるべさ
時がすべてを変えちまったから 違って見えるんかいなあ
あの時ガキだった俺がこの道を歩いているのを見て
みんななんて言うんだべなあ〜」


ああオイラが帰ったらみんななんて言うんだろう
親指くわえてうろついていた頃なんて思い出せない
でもまだオイラはふるさと離れて一千里
俺にまだツキがあるなら 今夜みんなと一緒にいられるのに
でもまだオイラはふるさと離れて一千里
里から離れて 里から離れてヨオ…

Peter, Paul and Maryの方の曲ではござんせん。もともとHedy Westという人のトラディショナルなフォーク、つーかゴスペル曲で、歌詞としてはピーター、ポール&マリーの方が正しい、らしいです。自信ありません。*1

最近カントリーを聞く時によく気にしちゃうのは、「それがトラッカーソング足り得るか?」という点。トラックの運転手というのはヘビーリスナーである。で、よくカントリーソングが演歌と比較されるのはこの点だろうと思う。トラッカー用のカントリーのコンピなどはなかなか日本には入ってこないが、専門のレーベルも未だにあるようなので、トラッカーたちは立派なマーケットとなっている、と予想してみた。

ボビー・ベア。本名Robert Joseph Bare、1935年4月7日オハイオ州アイアントン生まれ。1950年代に数々のセールス上の失敗を繰り返した果てに、キャピトル・レコーズでロックンロールを唄ってたが鳴かず飛ばず。自身の曲「The All American Boy」が全米2位になったんだが、友人のBill Parsons名義にしていたので(´・ω・`)ショボーン、という逸話がある。チェット・アトキンスRCAと1962年にサインしてから、ヒット街道をばく進する。

ボビー・ベアって人は、トラッカー向けの曲がヒットして味を占めたっていう立ち位置の歌手。その意味ではフレディ・フェンダーにも通じる。60年代のRCAにいた、ってことはかなりカントリーとしては優等生。しかし本当に、60年代から70年代にかけてのトラッカーソングというのは宝の山で、トラック輸送の黄金時代とも重なっていたのではないか、とも思える。考えてみたら日本の演歌もその辺が黄金時代だろ、ってことは、なにか共通のものが取って代わったか、あるいは廃れたかして、このトラッカー分野が凋落したのかもしれない。

その変化した、あるいは失われたsomethingっていうのは、技術だったり媒体だったりハードウェアだったり…といろいろあるんだろうが、ここでは「望郷の念」ってことにしておきたい。どうでしょうかこの歌詞。非常に昭和的。ピーター、ポール&マリーがヒットさせた「500マイル」はWINKがカバーしているんだが、こっちの歌詞でやってくれたらよかったのに、とか思った。

*1:このサイトが感動的に詳しい